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そもそもキーワードとは?
キーワードとは、検索窓に入れる単語のこと。言い換えれば「お悩みワード」と言ってもいいかもしれません。
今や、何か行動を起こす前にはまずスマホやパソコンで検索することが当たり前になりました。例えば友人とランチに行きたいとき、新しいパソコンを買いたいとき、私たちは検索エンジンの検索窓に「〇〇市 ランチ おしゃれ」「パソコン おすすめ」などと入力します。
自社サイトや自社コンテンツ(コラムなど)を作るときは、ユーザーが思い浮かべるこの単語(=キーワード)をしっかりと意識して、それにピタッとマッチする内容を盛り込むことが肝心です。
キーワードはなぜ大切なのか
キーワードはなぜ大切か。その理由は2つあります。
- ユーザーの満足度向上のため
- 検索エンジン(Google、Yahoo!)での検索順位を上げるため
それぞれについて、詳しく考えてみましょう。
キーワードは、ユーザーのお悩みに対する「答え」
検索キーワードは、言ってみれば「その人が抱えているお悩み」のことです。ランチに行きたいけどどこがいいだろう?新しいパソコンはどれがおすすめ?など、人は悩みや迷いがあるときに検索をします。
そして、その答えに対して的確な答えが書かれているコンテンツ(情報)に行きつくとユーザーは満足します。
なぜなら、そのコンテンツを読めばお悩みが解決するから(ランチに行くお店やパソコンの機種を決められるから)です。
満足度の高いコンテンツは、検索エンジンにも高評価
ユーザーの悩みや疑問を解決できる優れたコンテンツは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにも「分かりやすいコンテンツ」として評価され、検索結果の上位にランキングされます。
上位表示されることでさらにユーザーの目に留まり、より多くの人の悩みを解決していくという好循環が生まれます。
ユーザーの満足度を上げることが最優先
コンテンツ作成者とユーザー、そして検索エンジンの関係は以下の通りです。
- コンテンツ作成者は、ユーザーのお悩みを解決できるような、的確なコンテンツを作る
↓ - ユーザーは、お悩みキーワードを検索してコンテンツを見つけ、情報を得て満足する
↓ - 検索エンジンがページの評価を上げて検索結果に上位表示させる
↓ - コンテンツがたくさんの人の目に留まって閲覧数が上がり、より多くの人のお悩みを解決する
↓ - サイト全体の価値が上がり、検索結果がより上位表示される
このようなスムーズな流れを作ることが大切。ですから書き手としては、検索されるキーワードをいかに的確につかんでコンテンツへ入れ込むかが、腕の見せどころです。
それでは次に、キーワードをどのように選んでいくかを具体的に見ていきましょう。
キーワードを決める前にやること
自社コンテンツやコラムを作ろう!と意気込んで参考サイトを見てみると「まずはキーワード選定をする」とあります。
キーワード選定とは、自分たちのサイトにマッチしたユーザーが訪問してくれる単語(キーワード)を探し出すことです。
でも、突然「キーワードを決めろ」と言われても何から始めていいのかわかりませんよね。
そんな時はまず、コンテンツ全体のメインテーマを考えましょう。自社サイト内のコンテンツなら、自社の商品やサービスに関する内容が大まかなテーマになりますね。
テーマを頭に置きつつ、次はあなたのサイトに来てほしいお客様像を想像していきます。
キーワードを探し出すための3ステップ
さて、あなたのお客様はどんな人でしたか。年齢、性別、どんなお悩みを持っているか、あなたの会社の商品やサービスのどんなところに興味がある人か……。そしてそのお客様は、どんなキーワードを検索窓に入力してあなたのコンテンツへたどり着くでしょうか?
このように徐々に視野を狭めつつ考えていくと、キーワードの元となる「ユーザーのお悩み」が見えてきます。あなたのお客様のことを目いっぱい考えてみましょう。
お客様のことを考える一方で、自社の商品やサービス側からキーワードを探し出す工程も行っていきます。この作業は、コンテンツを作る上で最も大切で最も大変な作業です。
次の3ステップでゆっくりじっくり進めていきましょう!
- 自社の商品やサービスを洗い出す
- 他社商品との違いを明確にする
- お客様の気持ちを深掘りしてみる
実際には、キーワードを抽出するより前に、書きたいテーマが決まっていることも多いでしょう。「新商品を紹介するコラムを書きたい」「会社の紹介をしたい」など、とにかく書き始めたい!と思うこともあるかもしれません。
ですがその場合、「会社側の一方的な宣伝」になりがちです。何度も言うように、ユーザーは「お悩みを解決してくれるコンテンツ」を探しています。会社の宣伝を見たいと思う人は(ほとんど)いません。とにかく「自分のお客様の悩みや疑問を解決して差し上げよう」という気持ちでコンテンツを作らない限り、誰も見てくれない状態になってしまうのです。
キーワード選定の方法その1 「自社の商品やサービスを洗い出す」
まずは自社の商品やサービスについて、すべて書き出していきましょう。コラムに書くことが決まっている商品やサービス以外のものも、なるべくたくさん書き出していきます。
書き出す際には、自分だけでなく社内の他のスタッフと相談するのがおすすめです。より多くの視点で自社のウリを探しましょう。たくさんのネタが集まり、それがキーワードのもとになります。
例えば、あなたが家具製造販売のweb担当者だったとしましょう。
【自社商品】
- ダイニングテーブル
- ダイニングチェア
- ソファ
- テレビボード
- 座卓
- 食器棚
- 学習デスク
- 本棚
- ランドセルラック
- ベッド
- ベッドサイドテーブル
【自社サービス】
- サイズオーダー
- 使用する木材を選べる
- 自宅への配送
- 部屋レイアウトの相談
- 引越し日までお取り置きできる
- 10年保証
- 部品交換
- リメイクサービス
- 出張メンテナンス
たくさんの商品やサービスを書き出すことができました。
これらをさらに細分化し、カテゴリー分けをしていきましょう。
- 使用場所(どの部屋で使うか)
- 使用するシーン(どんな場面で使うか)
- 使用する人(大人か子どもか)
- 購入前のサービス
- 購入後のサービス
キーワード選定の方法その2 「他社との違いを明確にする」
次に、細分化した内容一つひとつについて他社との違いを明確化していきます。
商品やサービスが他社とどんな風に違うか、自慢できるポイントはどんなところかをじっくり探っていきます。こちらもスタッフみんなで考えていくとさらに深く掘り下げていくことができます。
【自社商品】
- 自社製作商品が〇種類
- 高さや幅などのサイズが豊富
- 家具に合う雑貨も販売している
【自社サービス】
- 有償サービス
- 無料サービス
- 人気のサービス
- お得意様向けのサービス
- 他社でも行っているサービス
- 自社オリジナルのサービス
ここまでの作業は、自分たちの強みと弱みを明確にするために必要です。ここをはっきりさせることで、次の工程の「ユーザーのお悩み」に対する答えが準備できたことになります。
キーワード選定の方法その3 「どんな人のどんなお悩みを解決するか決める」
自社の商品やサービスは、どんな人のどんなお悩みを解決するものなのかを考えていきましょう。そしてどんな言葉で検索するかを探ります。これが「キーワード」となります。
例えば、ある母親が、高学年になった息子の学習机を買いたいと思ったとします。どんな机がいいかしら?と漠然と調べたいときには「学習机 高学年 おすすめ」などと検索するでしょう。調べたいことがもっとはっきりしている場合は、以下のように検索するかもしれません。
- 子ども部屋に置く予定「学習机 大きさ 子ども部屋」
- 机の大きさの目安を知りたい「学習机 幅」
- リビングに置きたい「学習机 高学年 リビング」
- 安い机を探している「学習机 価格 安い」
- 購入した人の体験談を知りたい「高学年 学習机 口コミ」
- そもそも机って要るの?「学習机 高学年 必要」
もし自分が検索するならどんなキーワードで検索するかな、こんなケースはどうかな、と想像力を働かせてなるべくたくさんのキーワードを出してみましょう。
この段階で「このキーワードがいい!」とピンと来たなら、そのキーワードでコンテンツ制作に入っていきましょう。なお、コンテンツには選定したキーワードを積極的に入れ込むとよいでしょう。
キーワード選定のお助けツール3選
さて、自分たちだけでキーワードを洗い出す工程はとても大変な作業です。スタッフ同士でキーワードを出し合ってみても、意外と考えが偏っていて同じようなキーワードしか出てこないことも。
そんなときは、便利なツールを使いましょう。ここでは3つのツールを紹介します。
ツールその1 キーワードに関連する単語を提案してくれる「Googleサジェスト」
検索窓にあるキーワードを入れると、単語の次に別の単語が自動的に表示されることがありますね。これはGoogleからの提案、Googleサジェストと呼ばれています。
試しに「学習机」と入力してみましょう。次のようなサジェストが表示されます。「”学習机”と検索する人は、この単語も一緒に入力していますよ」とGoogleが提案してくれています。
- 学習机 大人
- 学習机 シンプル
- 学習机 無印
- 学習机 おすすめ
- 学習机 ニトリ
- 学習机 コンパクト
- 学習机 おしゃれ
- 学習机 中古
大人向けの学習机を探している人が多いようですね。テレワークで自宅用のPCデスクが欲しいと思うケースが増えているのかも、と想像できます。
また無印やニトリなど、具体的なブランド(お店)を探している人がいますし、中古の学習机を探している人もいますね。
これらのキーワードをもとにして、コラムの具体的な内容を考えてみるのをおすすめします。
ツールその2 膨大な複合語を提示してくれる「ラッコキーワード」
ラッコキーワードを使えば、Googleサジェストよりさらに多くのキーワードを見つけることができます。単語を2語以上組み合わせて作る、複合キーワードの参考になります。
「学習机」で調べると、「学習机 シンプル」「学習机 処分」などが上がっています。また、「検索語+A」というように、検索語とAから始まる単語を組み合わせた複合語を大量に紹介してくれます。
いまご紹介した2つのツールは、ユーザーの悩みをがっつり深掘りしてくれています。
- 「学習机 おすすめ」はどんなチェアがあるのか探し始めた人
- 「学習机 いつ買う」は机を購入するのはいつがいいのか迷っている人
- 「学習机 〇〇市」ならすでに購入を決断、具体的なお店を探している人
このように、同じ学習机というキーワードでも、2語以上合わせることでさらにお悩みをはっきりさせることができます。
悩みがはっきりすれば、作成するコンテンツ内容(=お悩みの答え)もはっきりしてきますね。
さて次は、あるキーワードを「どのくらいの人が検索しているか」というボリュームが分かるツールです。2つご紹介します。
ツールその3 検索ボリューム調査「aramakijake」
キーワード検索数、つまり検索ボリュームを調べられるのがaramakijakeです。調べたいキーワードを入れると、月間推定検索数が分かります。
「学習机」の月間推定検索数は、Googleで72,400、Yahoo!で18,100。季節によっても上下すると思われますが、かなり多くの検索数だと分かります。
ツールその4 キーワードプランナー
Googleキーワードプランナーはもともと広告向けの資料ですが、コンテンツを作るときにもとても便利なツールです。検索ボリュームとともに、競合性も観ることができます。
以上2つのツールは、どのくらいの人がこの悩みを抱えているのかが分かります。
例えば、「シンプルな学習机」をGoogleで探している人は月間約4,320。たくさんの人が検索しているのでコンテンツを作る価値は大いにあります。
半面、多くのコンテンツ制作者がこのキーワードを狙っているのもまた事実。これが、キーワードプランナーに「競合性が高い」と表示されている理由です。
一般的に競合性が高いと、検索結果の上位を狙うことは難しいかもしれません。検索結果で上位を狙うには、
- 検索ボリューム 100~1000
- 競合性 低~中
のキーワードがおすすめです。
ただ、書きたいキーワードを調べてみて「競合性高」だったとしても、コラムやコンテンツをあきらめることはありません。
まずは書いてみましょう。その場合は少しでもオリジナリティのある内容を盛り込んでいくことを心がけましょう。
なお、検索順位に関してはこちらのコラムも参考にしてください。
「検索順位が上がればクリック率も上がる?~クリック率から考える2021年版SEO~」
〈発展:カスタマージャーニー〉お客様の悩み事や関心には段階があります
キーワードはユーザーの悩み事だ、と説明してきました。
もう少し詳しく説明すると、ユーザーが持つ悩み事や関心事には段階があります。マーケティングファネル、カスタマージャーニーという言葉を聞いたことはありませんか。消費行動における心理&行動の流れを示したもので、ユーザーがどこのフェーズにいるかによって、検索するキーワードも変わっていきます。
車購入を例に考えてみましょう。
初めての出産を控えた夫婦が、車を買おうかどうか考えています。
彼らのお悩みは何でしょうか。
- そもそも車は必要なの?
- 車を購入するとどんなメリットがあるのか
- 買うならどんなタイプがいいのか。普通車?軽自動車?
- 便利なオプションは何か
- 新車と中古車のどちらにすればいいか
できれば、各フェーズごとに記事を書いていくのが理想的です。自社商品を知ってもらいたい(認知させたい)段階の人へ向けての記事なのか、それとも商品購入を具体的に考えている人への記事なのかによって、キーワードも内容も大きく変わるからです。
大切なのは、とにかく「ターゲットのどんな悩みに応えたいのか」。その1点に絞って考え抜いていけば、ぴったりフィットするキーワードがおのずと決まるでしょう。
ユーザーの悩み事をとことん想像して、自社コンテンツの充実を図りましょう
検索キーワードは、ユーザーの悩み事。このことをご理解いただけたでしょうか。ここが腑に落ちると、キーワードとの付き合い方がぐっと楽になります。自社コンテンツは、つい「自分たちの書きたいこと、自社商品の特徴や自慢」を書いてしまいがちですが、それはお客様の悩み事ではありませんね。
ユーザーが持っている悩みをプロの立場で解決するコンテンツ作り、さっそく始めていきましょう。